新聞記事のスクラップはいつのころからか、ずっと続けている習慣である。ネットで新聞が読める時代であるし、ネット記事を保存あるいはクリップしておけば、パソコン上にデータベースができるのは分かっているが、私は古い人間で、読むのはやはり紙媒体がいいし、記事の保存は新聞紙のスクラップがいい。私のスクラップ法はいたっていい加減である。新聞紙のこれという記事を切り取り(これには紙一枚だけ切り取るカッターを使う)、プラスティック箱に放り込むだけである。何を切り取ったかは漠然とした記憶に頼っている。後で必要になったときには、たしかあの記事を切り取ったと、日付順に積み重なった紙片の山から探し出す。でも、そんなことをするのは、百件に一つもない。大部分はスクラップのまま、ある時期を経てごみと化す。それでもスクラップをするのは、その作業の際に、新聞をもう一度まんべんなく見直して、場合によってはじっくり読むことと、スクラップしておいた紙切れを外出時に持ち歩いて読み直したりすることをメリットと感じているからである。
スクラップをデータベース化することを一時は考えたことがある。そのためのソフトをパソコン上で動かしていたこともある。しかし長続きしなかった。余分な労力がいり、そんな暇がなかった。だから紙を切り取り積んでおくのが、最上のものぐさスクラップ術であるとしてきた。そこを今回一歩進めてみることにした。この雑記帳に、何をスクラップしたかをひとこと添えて記録しておけば検索ができる。また、私のスクラップを公開すれば、少しは人さまのためになるかもしれない。そう思ってはじめることにした。
対象は主として朝日新聞である。紙媒体として長年読み慣れている。ただし、東京へ出かけている間は、毎日新聞をコンビニで買うこともある。それも混じることがあるだろう。ある程度時事問題も追うが、時間とともに過ぎゆくものは、切り取って保存しておく意義がさほどない。どちらかというと文化欄などに目が行くことが多い。社説もほとんどスクラップしない。ネット上で読めるからである。ただし、コラムニストやその他の寄稿者のまとまった論説は、けっこう切り取ることがある。
日本の新聞はいまだに、全記事のネット上での無料購読に踏み切っていない。だから、ネット上に載らないような記事をスクラップし、ここに記録しておくことは補助的な意義があるかもしれない。もし気になるスクラップがあれば、有料の記事データベースを利用するまでもなく、公共図書館へ行けば、バックナンバーを読める。私も、ゴミの山を捨てても、このブログのスクラップ記録を役立てることができる。そんな意図から、このシリーズものをはじめることにした。さて、いつまで続くことか。
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