2008年12月27日土曜日

料理を使い回す韓国、新聞スクラップ(7)

朝日新聞 08/12/20-25

・料理を使い回すな、韓国で国民運動始まる (08/12/20 国際)
ー テレビ局が無作為に20の飲食店を調べた。16店で食べ残し料理が再利用されていた。政府がこの習慣を根絶する国民運動を開始。法改正して罰則を科す。内部告発を報奨金で奨励。中国その他アジアでも同様かもっとひどいのではないか。多数の皿で大量の料理を供するのがご馳走という習慣は使い回しで支えられているのだったか。日本でのアジア系料理店ではどうか。

・ノーベル賞、二つの疑惑、中国政府、選考委員を招待、大手製薬会社が圧力 (08/12/20 社会)
ー スウェーデンで捜査当局が汚職の可能性があると調査開始。(1)中国政府が今年初め、ノーベル賞の選考委員を丸抱えで招待した疑惑。(2)本年の医学生理学賞の受賞に関し、ノーベル財団の関連会社に出資している製薬会社と受賞者との間に特許料の授受があることが明るみに。ノーベル賞をめぐっては、裏でさまざまな働きかけがあるのは学界では常識。ノーベル賞は与えられるものではなく、「獲るもの」といわれる。中国もアジアの大国にふさわしく、受賞者を出したいところだろう。

・若沖 晩年の大屏風、象と鯨 北陸の旧家から (08/12/21 社会)
ー 若沖の愛好家は多い。06年夏、東京国立博物館に勢揃いした作品の中でひときわ目を引いた「鳥獣花木図屏風」にも巨大な象が描かれていた。ただしこれは若沖の眞作かまだ確定されていない。今回のそれぞれ象と鯨を描いた大屏風は若沖の作に間違いないという。実物を見たいものだ。公開を待ちたい。

・東京大「襖クラブ」苦学生の技、半世紀伝承 (08/12/22 教育)
ー 思い出した。学生時代に学費稼ぎのアルバイトとして評判だった。ふすまの枠を外し刷毛で糊を塗り、張る。ビシッと張るのが難しいのは、自宅でやってみたことがあるので分かっている。今やバイトというより、サークル活動として伝承されているらしい。一人前になるのは、入部後練習に励んで一年後だとか。業者の料金の半額でやるので、年間100件の注文があるという。

・田母神論文「国を常に支持」が愛国か (08/12/22 声・主張)
ー 日本近代史の専門家、ジョン・ダワーMIT教授(『敗北を抱きしめて』著者)が、田母神論文が論拠とする太平洋戦争の開戦にいたる「ルーズベルトの罠」説は、多くの関係文書を参照した綿密な学問的研究からいまや事実としても論理からも支えられていないと指摘。また当時のアジア情勢を広い文脈で見る必要があるとし、田母神論文は、日本だけの観点、それも軍部主導だった経緯を是とする観点だけから、単純な論理で組み立てられているとする。航空幕僚長によるこの論文は「戦後、日本が世界で獲得してきた尊敬と信頼を恐ろしく傷つける」行為だと憂いている。「国を愛するということが、人々の犠牲に思いをいたすのでなく、なぜ、いつでも国家の行為を支持する側につくことを求められるのか」と結んでいる。

・兵馬俑 定説巡り論争、「始皇帝と無関係」研究者提起、出土武器「時代遅れ」(08/12/23 文化)
ー 兵馬俑を研究してきた研究者が、始皇帝の副葬だとすると稜から遠すぎる、武器、馬車の規格、彩色など始皇帝時代のものとは考えにくいなどから、秦ではなく、楚の時代のものではないかと。一方こんな大規模な副葬は始皇帝以外に造れないとの反論も。

・今朝、読売新聞に出ていた広告です。意外と大きなニュースなので、朝日新聞でも広告しています。(08/12/22 全面広告)
ー この全面広告の奇抜なツリには驚いた。08/12/01の法律改正で非営利の団体の法人化が簡単になったと。HPのドメイン名登録業者の広告らしい。読売にはどんな広告を出したのだろう。08/12/25 に再び全面広告。「今朝、ついに毎日新聞にも出た広告です。覚えてほしいニュースなので、朝日新聞では再掲載しています。」とある。ドメイン名登録ってよほど儲かるらしい。

・日本の暮らし、この快適さがたまらない (08/12/23 声・主張)
ー ニュージーランドから朝日新聞との交換記者としてきている「ドミニオン・ポスト」紙の記者、レベッカ・パーマーさん。日本に来た当初は、電車に駆け込む日本人を見てどうしてこんなにせっかちなんだろうと驚いた。3ヶ月もすると、数分後に来る電車が待てなくなっている自分に気づく。東京はなにごとも便利、快適、美味しい、多様。すっかり気に入った。しかしゴミ、無駄使い、環境負荷などの点でニュージーランドと比べてしまうと。

2008年12月20日土曜日

バス通勤、年収960万円のJAL社長、新聞スクラップ(6)

朝日新聞08/12/16-19

・倹約JAL社長、評判。バス通勤、社員食堂で行列、年収960万円 (08/12/16 社会)
ー 米国でビッグ3首脳の高待遇が問題になっているなか、世界有数の航空会社JALの社長が、タイトルのような待遇を自ら決めて実行していることをCNNテレビが報じ、アメリカだけでなく世界中から大きな反響が寄せられていると。経営再建に取り組む中で,同年代の人に早期退職をお願いした代償にということらしい。社長がこうでは、それ以下の幹部社員たちも低い待遇に甘んじているのだろうかと勘ぐりたくなる。たぶん社長だけのことなのだろう。でも社員たちは心苦しいだろうな。ちょっと心配。

・百貨店モデルは破綻 (08/12/16 経済)
ー 大丸と松坂屋を傘下に持つJフロントリテイリングの社長の弁。「百貨店モデルは破綻している。自民党と一緒」と。「経営革新を伴わない統合は意味がない」とも。

・天声新語(テーマ「景気」最優秀作、69歳会社員)(08/12/16 Aspara)
ー 読者参加欄アスパラクラブの「天声新語」に応募し,選ばれたもの。その一節に「昔から庶民は不況を覚悟のうえ、節約と我慢の耐乏生活でしのいできた。良寛さんではないけれど『不景気の時は不景気に逢えばよく候』と腹をくくればよい。企業であれ個人であれ、不況時こそ好況時の生活習慣病となった無駄、贅沢、飽食を削ぎ落とし,清算したうえで出直しを図る好機である。庶民が耐乏生活を恐れているかぎり、国民救済に便乗した悪政の連鎖は断ち切れない」と。

・ニッポン人脈記 民の心を測る(13) 政権の命運 数字が予言 (08/12/16 夕)
ー このシリーズ最終回は、内閣終盤の支持率と退陣との関係。歴代内閣のデータがリストされている。昨日(08/12/19)の時事通信社の発表した麻生内閣支持率は、17%。これは歴代内閣終盤時の支持率と比較すると、竹下(7%)、森(9%)、岸、田中(ともに12%)についで低い(芦田(17%)と同じ)。安倍、福田より低くなった。麻生内閣も終盤のようである。

・風力発電と鳥の衝突 (「知って得!」欄 08/12/17夕)
ー 風力発電機の問題点のひとつとして鳥が衝突で犠牲になるということがある。米国での調査が行われた。鳥が人工物へ衝突して死ぬ推定数はこうである。建物の壁や窓:9億8千万〜9800万羽。送電線:1億7400万以下。車:8千万〜6千万。通信用の塔:5千万〜400万。風力発電:4万から1万。数だけからはいえないかもしれない(希少種がいるとか)が、こういうデータにもとづいて議論されることが望ましい。

・ブッシュ政権8年(下)、施策選び 策士の影 (08/12/19)
ー 3回にわたってブッシュ政権を回顧する特集記事の(下)。チェイニー副大統領の影響力が大きかったことが何度も指摘されている。アメリカン大学のサーバー教授による評では,ブッシュのリーダーシップは,広く衆知を集めてものごとを決めるというより、やや孤立気味で,自分の決定にこだわり、異議を唱える人々を嫌うというタイプ。歴代の大統領の中では,最底辺に位置づけられるのではないかと,厳しい。

2008年12月17日水曜日

生きがいが死亡率減を、新聞スクラップ(5)

朝日新聞、08/12/11-15

・男に生きがい、死亡率減、秋田で1600人調査(08/12/11夕、14面)
ー 生きがいを感じて暮らしていると、脳卒中で死亡するリスクが大幅に減るとの調査結果。88年秋田県大森町(現横手市)の40〜74歳の約1600人の健康状態を,03年まで追跡調査。同時に「生きがいをもって生活しているか」「ストレスが多いと思うか」などを質問。生きがいが「非常にある」「ある」と答えた男性と、「普通」「はっきり言えない」と答えた男性を比較すると、生きがいがある男性の死亡リスクは他の男性に比べ38%低い、脳卒中になるリスクは72%低いとの結果。心臓病やガンによる死亡では差がない。女性では差がはっきりしないとの結果。政治家とか芸術家に長寿が多いように感じていたが、「生きがい」と長寿に相関があるようだ。

・谷岡さん、日米民主党の交流どう進めますか?(08/12/11、政策)
ー 民主党は政権についた場合に備えて、米国へ幹部や議員を派遣して人脈作りをしているようだ。留学経験者が用いられているらしい。谷岡さんは、民主党参院議員で中京女子大学長、オバマの予備選から本選にかけてあちこちに飛んで見聞を深めてきたようだ。小沢党首への訪米報告で「オバマの選挙はすこぶるどぶ板だった」に対し、「やっぱりなー」といわれたと。

・森林再生、日英の「緑の交流」深めよ。C.W.ニコル(08/12/11、オピニオン)
ー ニコルは日本に住みつき日本人となった英国人(正確にはウェールズ人というべきか)の作家。黒姫の里山に住み、森林再生に努めている。10月にチャールズ皇太子が訪日した際、環境保護や環境教育に熱心な皇太子は、わざわざ黒姫を訪ねニコルと会った。「とても感銘を受けた」との言葉を残し、日英で森林再生の事業の交流をしようと約束したという。もともとの日本人が忘れていることを、英国皇太子と元英国人が指摘している。妙なことだ。

・「補給支援法が成立」(08/12/13、政治)
・給油活動、テロ・海賊を抑止、岡本行夫・元首相補佐官に聞く(同上)
・「給油よりインフラ」補給延長、アフガン支援の市民(08/12/13、社会)
ー アフガニスタン沖の給油活動を延長する法案が成立した。何のため給油をつづけるのか疑問だが、これについて、「たいへん実体的な意味を持っている」と岡本は強調する。湾岸戦争時に大金を出しながら評価されなかったトラウマを下敷きにしたよくある意見だ。無料のガソリンスタンドを続けるほかに,アフガニスタンに平和をもたらすための支援方法はないのだろうか。同じ紙面でも、NPOや市民団体は「派遣よりインフラ整備や和平仲介を」といっている。たぶん次の延長はないだろう。日本の国際貢献は,アメリカから叱られる(岡本)までもなく、必要だ。何をするか。野党側が提案すべきだろう。

・古書街から本を連れ帰る先(「仕事中お邪魔します」シリーズ、鹿島茂さん)
ー 鹿島は神田に仕事場を持ち、近くに住処を持つ。神田古書街にはたえず出没する。そのたびに安売りされている「恵まれない境遇の本たち」をせっせと連れ帰る。月に100冊ずつ本が増えるという。20坪の書斎、60の本棚に2万冊を超える蔵書があるという。二つの仮説(というより予言)を書いている。1.本に価値が出てくる時代が訪れる。2.次世代では、本を積極的に読む一部知識層が、本を読まない多数のネット層を支配する。

・池上彰の新聞ななめ読み、容疑者の親、カメラを向ける必要性とは(08/12/15夕)
ー 池上も,私がスクラップした08/12/03の「声」欄、「容疑者の父親、必要な映像か」に注目している。元厚生事務次官襲撃事件で、成人の容疑者について、親の自宅に報道陣が押しかけ、カメラ報道までしたのはどうか,との声に池上も同意見としている。しかし、今回の場合、犬の処分が問題とされたので,それを確かめるためには親の取材が必要だったと,報道の対応を擁護しているようだ。私の記憶では,親の映像がテレビで流されたのは、犬の処分の問題が詳細に報される前だったように思う。そんな問題のあるなしにかかわらず、親はテレビの前に引っぱり出されるのが通例だ。池上は、せいぜいカメラは避けて話だけを報道すればよいとしている。とにかく映像を撮ってこいと、デスクはカメラに要求するのではないか,と私は思う。

2008年12月12日金曜日

iPhoneで産経新聞全紙面が読める


 iPhoneには次々に「アプリ」と称する追加機能を取り込める。すでに1万とかの数あるそうだ。私もいくつかダウンロードして,iPhoneを使いでのある機器に成長させている。ToDoの管理、カレンダー管理(いずれもパソコンと同期機能つき)、テキストエディター(送信機能つき)、iPhoneで撮った写真の処理や送信など、いずれも便利に使っている。「オカリナ」と称する、iPhoneを吹いて鳴らす楽器として演奏できるアプリも楽しい。新聞はNYタイムズと,朝日ニュースを読んでいるが、今日から使えるようになった産経新聞の購読アプリは画期的だ。全紙面を紙面のまま読めるのである(「産経新聞、全紙面を無料で閲読できるiPhone/iPod touch アプリ」)。iPhoneの小さな画面でありながら,好きなように拡大縮小し、読む場所を動かし、頁をめくりなどして読める。無線LANでダウンロードするのに,2,3分を要するが、そのあとはオフラインで読めるところがいい。朝取り込み、出先で読むことができるわけだ。このようなサービスはまだ他社は行っていないのではないか。

 産経新聞は,すでにインターネット上で紙面を読む『産経NetView』というサービスを行っている(有料)。そのiPhone版であるが、携帯機器に配信し、携帯機器の機能を最大限使って利用できるようにしたところがすごい。しかも無料だ。

 上に掲載した画面は、新聞の第1面全面を出したところだが、これを拡大して読んだり、頁をめくったり、全ページのサムネールを出し、好きなページに飛んだりできる。この画面はスクリーンショット機能で,自分のiPhone画面を保存したものである。

2008年12月11日木曜日

蝶の長旅、新聞スクラップ(4)

朝日新聞、08/12/08-10

●岐阜から奄美へ、傷だらけ1110キロ(08/12/10夕 1面、写真付き)
ー「アサギマダラ」という蝶は春には北へ、秋には南下する渡りの蝶である。どこまで渡るか、試しに岐阜県下呂市観音峠でつかまえた蝶の羽根に日付と連絡先を書き込んで放った。それが高知県で一旦捕獲され、写真を撮った後放たれ、最終的に40日後に奄美大島市名瀬で再々捕獲された。その時は羽根がぼろぼろになっていたという。

●自民、弱まる改革志向、朝日・東大調査(08/12/08、1,3面)
ーもろもろの党に属する議員にどれだけの政策のずれがあるかの調査結果。次期衆院選立候補予定者900人を対象に調査したもの。概していえば、3面の見出し通り、「防衛・財政、自・民隔たり」の傾向があるが、それより、両党内の議員ごとの意見の隔たりが大きい。意見の分布を,安保・外交についてタカからハトへの軸、改革について進めるか、現状維持かの軸を二つの軸にとって、座標で位置づけると,互いに入り乱れていることがよく分かる。中川(秀)や石原(伸)らと、鳩山(由)や菅らが意外に近い。政策だけからいえばどのあたりが結びつくといいか、再編の将来を予感させる。それにしても、自民全体としては小泉改革にすっかり後ろ向きになっている。公明はつねに座標軸の真ん中にいて、どこの党とも組めるという位置にいることも微妙。

●大臣コロコロ、官僚冷淡(08/12/08夕、トップ)
ー朝日もよくぞ、えげつない見出しを付けたものだ。それほど麻生内閣は、官僚からもマスコミからも(もちろん国民からも)見放されている。小見出しに「『もう死に体』政治と距離」ともある。コロコロというのは、この2年、各省の大臣がコロコロと替わっていること。農水と防衛は何と6人も替わっている。そうなると官僚は、どうせすぐ替わる大臣という扱いしかしない。行政の停滞ぶりはまことに嘆かわしい。

●ニッポン人脈記、民の心を測る(9)信用危うし、ウソと苦闘(08/12/10夕 1面)
ー先日来何度かスクラップで紹介しているこのシリーズは、世論調査法の確立のために尽くした人々を取り上げている。今回は調査員による世論調査の時代に、調査員が回収率を上げるためにウソの調査票をでっち上げたことがあること、それを疑い全件の追跡調査をしてその事実を明らかにした責任者の話が出ている。回収率とかそれに利益が絡むとろくなことにならない例。いまは調査に協力する気にさせる工夫した調査票による郵送法に置き換わっているという。

●雨水、ためれば資源(08/12/10 生活面)
ー雨水を下水に流れっぱなしにせずに溜めて,庭の散水、トイレや風呂、洗濯に利用すると水道代の節約だけでなく、洪水対策にもなるという実例の紹介。わが家でも裏庭には水道栓がなく,散水に苦労する。早速雨水をためる工夫をしてみようか。そういうとワイフは「やってごらん」と笑う。

2008年12月8日月曜日

新聞スクラップ(3)

朝日新聞08/12/04-07

●縮むニッポン、「窓」編集委員室から(08/12/04夕 1面)
ー03年に交通量のピークが来て、これからは減るばかりだそうだ(国交省の発表)。拡張には慣れているが、縮んでいく社会は未知の社会、それに慣れていくとともに、それなりの都市設計、街づくりが必要な時代となる。

●端っこ優先席、なんだか冷遇(08/12/05「声」欄投書、米大学客員教授、74歳)
ー電車の優先席は端っこ、連結部近くに設けられている。騒音が多く、揺れも大きい、「弱者を隅っこに追いやっていないか」という意見。路線バスでは,中央部に優先席があるのにと。

●予算折衝合理化を指示、麻生首相(08/12/05 政治欄)
ー予算の編成作業で、復活折衝をやめるように指示したそうだ。私も数年、この仕事に関係した時代があったが、シーリング制度が導入されて以来、復活折衝などは、「見せ場を作るため」あらかじめ仕組まれたセレモニーのようなものだった。予算の編成過程の改革がいわれているが,財務省はこの権限だけは手放さないだろうな。首相指示を受けて園田博之政調会長代理は「殴り合いでも何でもやりながら決めていくというやり方をしたい」と述べたという。何か勘違い?

●曲げぬ数字、漢字救った、ニッポン人脈記、民の心を測る(6) (08/12/05夕 1面)
ー戦後の占領期、連合軍総司令部(GHQ)は日本語表記をローマ字化しようとしたらしい。「日本人の読み書き能力調査」というのが、1948年に行われた。全国で15歳から64歳まで1万7千人がテストを受けた。結果、読み書きできない人はわずか2%とでた。調査担当者(柴田武、言語学者、「新明解国語辞典」の編者の一人)がGHQに呼ばれて、「字の読めない人が非常に多い」という結果にしてくれと圧力をかけられた。「調査結果は曲げられない」とはねつけた。そのおかげでローマ字化は取りやめられた。ランダムサンプリングが全国規模の調査ではじめて使われたのだという。サンプル選びは,前回も出た林知己夫が担当した。

●脱ぎ捨てた「怒る宿命」(08/12/07 国際欄「風」、真鍋弘樹)
ーオバマはが過去の黒人政治家と際だって異なったのは、決して怒りを表に出さなかったことだと。公民権運動につらなる政治家が,激しい怒りを顕わにしてきたのと対照的。そのオバマを黒人たちが受け入れ、白人たちも受け入れた。それがアメリカの大きな変化だろうと。オバマの勝利は,黒人を「怒り続ける宿命」から解放するきっかけになるかもしれないと。「すべてはまだ始まりに過ぎない」とも。だが、米国の歴史が,「オバマ前と,オバマ後との二つに」分けられることになるだろうと。

●加藤周一さん死去 (08/12/06 1面)
●加藤周一さん、稀有な知性、旺盛に発言、戦争への怒り原点 (08/12/6 夕)
●大知識人の微笑とまなざし、加藤周一さんのこと (08/12/7 文化欄、大江健三郎)
●「北極星」が落ちた (同上、井上ひさし)
ーこの人のすごいところは,知識と思考の多方面にわたることと、考えが、戦中から現代にいたるまで、時代とともにまったくぶれなかったこと。井上ひさしはそのことを北極星になぞらえる。周囲がどう動こうと「自分の立ち位置を変えなかった。雑種姓を尊重してあらゆることを拒まずに受け入れ、でも、自分は動かない」。彼を見て「自分がいまどこにいるか、ずれていないかを確認してきました」と。

2008年12月4日木曜日

新聞スクラップ(2)

朝日新聞 08/12/03-04

●どうする国の出先機関 (上)地方整備局 管轄違えばコスト大差 (08/12/03 政治欄)
●どうする国の出先機関 (下)二重行政 責任の所在あいまい (08/12/04 政治欄)
●出先庁舎の建設、分権委「凍結を」仙台は当面着工延期 (08/12/03 政治欄)
●国出先機関、地方振興局に集約、分権推進委が提言へ (08/12/04 政治欄)
ー 行政の無駄を省き、地方に権限を渡すようにしようとしている中で、最も問題視されているのが、国土交通省の地方整備局と、農林水産省の地方農政局だ。先日もテレビで取り上げていたが、たとえばひとつの川で、国が担当する区画と県が担当する区画と、格別の意味もなく混在している。おまけに予算のレベルが違うらしい。国が手厚い。こんなのは全部地方に任せていいのに、どうしてそのままなのか。私の自宅近くにも、国交省の地方事務所がある。このところ古かった庁舎を大がかりな新庁舎に建て直している。きっと道路特定財源が無駄遣いされているな、と思うのだが、仙台ではそれに「待った」をかけたらしい。全国で36カ所、総額で2049億円の新庁舎の建設が進んでいるという。仙台に限らず、すべて「待った」をかけてほしい。地方に任せることになる(そうなるのが当然だと思うが)前にと、駆け込みで無駄な支出を急いでいるようだ。国の出先機関の統廃合は、当面最も肝要なポイントだと考えるが、統廃合という言葉でごまかされてはならない。「地方振興局に集約」など、きっと官僚の考えそうな生き残り策のようだ。ズバリ「廃止」でやるべきだ。

●ニッポン人脈記 民の心を測る 4. かきまぜて味わう「巨人」(08/12/03夕 一面)
ー 学生時代に「数理統計学」を教わった林知己夫先生のことが写真とともに紹介されているのが懐かしい。正確な推計結果を得るための調査法の確立にこだわった人だった。佐渡で野ウサギが増えて困っていると聞けば、冬季雪の上のウサギの足跡を友人、知人を動員して徹底的に調べ、全体数の推計値を出した逸話などが載っている。近年の世論調査はサンプリングもいい加減、回収率も悪い。そんな中で支持率が○○.○%などという数字が新聞に出ていると、この人に教わったことからすると,それだけの数字を並べる意味があるのか(有効数字は何桁か)、おかしいな,といつも思っていた。

●容疑者の父親、必要な映像か (08/12/03 声欄)
ー 元厚生事務次官の襲撃事件について、テレビが父親にインタビューし、映像まで流していたことについての投書。未成年ならともかく、中年に達した犯人の親に責任を問うのはどうかと。日本では,何かが起きると親とか,学校の教師とかがテレビの前に引き出される。私もこれは行きすぎだと感じていた。

●ガーデニングの常識、花育ての基本詰まったパンジー (08/12/04夕)
ー プランターにパンジーを植えて半月ほどである。駐車スペースが1台分減ったので、そこをプランターで埋めようと,やったことのない園芸に手を出している。チューリップとヒヤシンスの球根を植えた。これは来春が楽しみだ。それだけではさびしい。そこでパンジーを植えたのだが,無事に冬を越せるか。ところがパンジーは寒さにあうほど根がはり春にいい花を咲かせるとの、このガーデニングの記事に気を強くした。咲いた花は早めに摘んだ方がいいようだ。

2008年12月2日火曜日

新聞スクラップ(1)

朝日新聞12月1、2日分

●「アパ代表のみ最高点、田母神氏論文を審査」(08/12/01朝 第1面)
●「アパ代表、「選外」公表委員に抗議、田母神氏論文『事実と違う』」(08/12/01朝 社会面)
ー朝日は執拗に内部事情を探り出そうとしている。どうやらアパ代表が事前に田母神氏を最優秀にしようと謀ったデキレースだったらしい。審査委員が内情を暴露している。

●若宮啓文(前論説主幹、コラムニスト)「守るべき『いい国』とは何か、自衛隊の君へ」(08/12/01朝 オピニオン欄)
ー「日本がいい国だと思えなかったら、誰が命がけで国を守れるか」との田母神の発言に、戦前の日本を「いい国」と考えるのはどうか。むしろ戦前の過ちを反省し、謝罪する潔い国こそ、守るに値する「いい国」ではないかと。

●観流「日本の民主主義、冷笑的態度、脱するとき」(藤生京子、08/12/02朝 文化欄)
ー記事の一部だが「アジア諸国との比較調査で、日本は国が国民の意思で運営されていると考える人の割合が韓国に次いで低い。でも韓国と違って抗議運動は起こらない」との一文が目を引いた。

●フェノロサ追想(2)「語り継がれる秘仏開扉」(08/12/02夕 2面)
ー明治初期における日本の文化の外国への紹介者フェノロサの没後100年とかで、シリーズものの特集を組んでいる。夢殿の秘仏(救世観音像)をフェノロサが長年の禁を破って開扉させたという秘話は、どうやら同行した岡倉天心によって脚色されたものらしい。それまでも何度か開扉されていたという。

上記で、−印以下は、私のコメント。

新聞記事のスクラップ

 新聞記事のスクラップはいつのころからか、ずっと続けている習慣である。ネットで新聞が読める時代であるし、ネット記事を保存あるいはクリップしておけば、パソコン上にデータベースができるのは分かっているが、私は古い人間で、読むのはやはり紙媒体がいいし、記事の保存は新聞紙のスクラップがいい。私のスクラップ法はいたっていい加減である。新聞紙のこれという記事を切り取り(これには紙一枚だけ切り取るカッターを使う)、プラスティック箱に放り込むだけである。何を切り取ったかは漠然とした記憶に頼っている。後で必要になったときには、たしかあの記事を切り取ったと、日付順に積み重なった紙片の山から探し出す。でも、そんなことをするのは、百件に一つもない。大部分はスクラップのまま、ある時期を経てごみと化す。それでもスクラップをするのは、その作業の際に、新聞をもう一度まんべんなく見直して、場合によってはじっくり読むことと、スクラップしておいた紙切れを外出時に持ち歩いて読み直したりすることをメリットと感じているからである。

 スクラップをデータベース化することを一時は考えたことがある。そのためのソフトをパソコン上で動かしていたこともある。しかし長続きしなかった。余分な労力がいり、そんな暇がなかった。だから紙を切り取り積んでおくのが、最上のものぐさスクラップ術であるとしてきた。そこを今回一歩進めてみることにした。この雑記帳に、何をスクラップしたかをひとこと添えて記録しておけば検索ができる。また、私のスクラップを公開すれば、少しは人さまのためになるかもしれない。そう思ってはじめることにした。

 対象は主として朝日新聞である。紙媒体として長年読み慣れている。ただし、東京へ出かけている間は、毎日新聞をコンビニで買うこともある。それも混じることがあるだろう。ある程度時事問題も追うが、時間とともに過ぎゆくものは、切り取って保存しておく意義がさほどない。どちらかというと文化欄などに目が行くことが多い。社説もほとんどスクラップしない。ネット上で読めるからである。ただし、コラムニストやその他の寄稿者のまとまった論説は、けっこう切り取ることがある。

 日本の新聞はいまだに、全記事のネット上での無料購読に踏み切っていない。だから、ネット上に載らないような記事をスクラップし、ここに記録しておくことは補助的な意義があるかもしれない。もし気になるスクラップがあれば、有料の記事データベースを利用するまでもなく、公共図書館へ行けば、バックナンバーを読める。私も、ゴミの山を捨てても、このブログのスクラップ記録を役立てることができる。そんな意図から、このシリーズものをはじめることにした。さて、いつまで続くことか。