朝日新聞08/12/04-07
●縮むニッポン、「窓」編集委員室から(08/12/04夕 1面)
ー03年に交通量のピークが来て、これからは減るばかりだそうだ(国交省の発表)。拡張には慣れているが、縮んでいく社会は未知の社会、それに慣れていくとともに、それなりの都市設計、街づくりが必要な時代となる。
●端っこ優先席、なんだか冷遇(08/12/05「声」欄投書、米大学客員教授、74歳)
ー電車の優先席は端っこ、連結部近くに設けられている。騒音が多く、揺れも大きい、「弱者を隅っこに追いやっていないか」という意見。路線バスでは,中央部に優先席があるのにと。
●予算折衝合理化を指示、麻生首相(08/12/05 政治欄)
ー予算の編成作業で、復活折衝をやめるように指示したそうだ。私も数年、この仕事に関係した時代があったが、シーリング制度が導入されて以来、復活折衝などは、「見せ場を作るため」あらかじめ仕組まれたセレモニーのようなものだった。予算の編成過程の改革がいわれているが,財務省はこの権限だけは手放さないだろうな。首相指示を受けて園田博之政調会長代理は「殴り合いでも何でもやりながら決めていくというやり方をしたい」と述べたという。何か勘違い?
●曲げぬ数字、漢字救った、ニッポン人脈記、民の心を測る(6) (08/12/05夕 1面)
ー戦後の占領期、連合軍総司令部(GHQ)は日本語表記をローマ字化しようとしたらしい。「日本人の読み書き能力調査」というのが、1948年に行われた。全国で15歳から64歳まで1万7千人がテストを受けた。結果、読み書きできない人はわずか2%とでた。調査担当者(柴田武、言語学者、「新明解国語辞典」の編者の一人)がGHQに呼ばれて、「字の読めない人が非常に多い」という結果にしてくれと圧力をかけられた。「調査結果は曲げられない」とはねつけた。そのおかげでローマ字化は取りやめられた。ランダムサンプリングが全国規模の調査ではじめて使われたのだという。サンプル選びは,前回も出た林知己夫が担当した。
●脱ぎ捨てた「怒る宿命」(08/12/07 国際欄「風」、真鍋弘樹)
ーオバマはが過去の黒人政治家と際だって異なったのは、決して怒りを表に出さなかったことだと。公民権運動につらなる政治家が,激しい怒りを顕わにしてきたのと対照的。そのオバマを黒人たちが受け入れ、白人たちも受け入れた。それがアメリカの大きな変化だろうと。オバマの勝利は,黒人を「怒り続ける宿命」から解放するきっかけになるかもしれないと。「すべてはまだ始まりに過ぎない」とも。だが、米国の歴史が,「オバマ前と,オバマ後との二つに」分けられることになるだろうと。
●加藤周一さん死去 (08/12/06 1面)
●加藤周一さん、稀有な知性、旺盛に発言、戦争への怒り原点 (08/12/6 夕)
●大知識人の微笑とまなざし、加藤周一さんのこと (08/12/7 文化欄、大江健三郎)
●「北極星」が落ちた (同上、井上ひさし)
ーこの人のすごいところは,知識と思考の多方面にわたることと、考えが、戦中から現代にいたるまで、時代とともにまったくぶれなかったこと。井上ひさしはそのことを北極星になぞらえる。周囲がどう動こうと「自分の立ち位置を変えなかった。雑種姓を尊重してあらゆることを拒まずに受け入れ、でも、自分は動かない」。彼を見て「自分がいまどこにいるか、ずれていないかを確認してきました」と。
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