(朝日新聞、09/1/21-28)
・がんと最後まで闘うこと必要ー患者81%、医師19%。意識にギャップ。(09/1/21 生活)
ー ガンになったら最後まで闘うことが必要かどうか。東大のグループが調査したところ、患者と医師の意識に大きなギャップがあることが分かったという。東大病院の放射線外来を受診中の患者450人、東大病院でガン診療に関わる医師155人、看護師470人、無作為抽出の市民千人にアンケート調査した結果。「最後まで闘うこと」について、必要と答えたのは、患者:81%、医師:19%、一般市民:66%、看護師:30%、という結果が出た。患者は治ると期待して最後まで闘おうとする。医者は現実と治療可能性を知っている。その意識のギャップは大きい。19%という数字は現実の厳しさを反映している。
・オバマ大統領就任演説(原文・日本語対訳、09/1/24 国際)
ー オバマの大統領就任式は、世界中が注視した大きな出来事だった。私は録画で見た。歌の朗唱があったり、トリオ演奏があったり、セレモニーというのはこういうものかと感心したが、やはりオバマのスピーチが注目の的だった。どんな言葉が飛び出すか注意して聞いたが、格別の名文句がなく、第一印象は地味だったな、ということだった。しかしその後発表された演説全文を読むと、さまざまな問題についてしっかりと考え抜かれた言葉で、過不足なく語っており、内容のずっしり詰まったものだったことを知った。朝日は、最初に日本語訳全文(1/21夕)、ついであらためて全文とその背景説明(1/22 国際)、そして英和対訳(1/24)と載せるという力の入れようだった。また「池上彰の新聞ななめ読み」(09/1/26夕)では、さわり部分について日本の新聞各紙の日本語訳を比較していた。経済危機の原因について、話題になった"greed"(強欲)という言葉が出てきた部分については、読売新聞が米国民の自己批判のトーンをもっとも強く打ち出し「一部の者の強欲と無責任の結果であるだけでなく、厳しい決断をすることなく、国家を新しい時代に適合させそこなった我々全員の失敗の結果である」と訳していることを紹介していた。私にもっとも印象的だったフレーズは "Starting today, we must pick ourselves up, dust ourselves off, and begin again the work of remaking America." (私たちは今日から、自らを奮い立たせ、ほこりを払い落として、アメリカを再生する仕事を、もう一度始めなければならない)であった。オバマの就任については、たくさんのことが書かれた。これから大変だろうな。しかし早くもよくやっている。
・「書く」から「打つ」に対応、情報機器の普及で制限緩和(新常用漢字表を読む、上、09/1/21、中1/22、下1/24)
ー 常用漢字の案が発表された。私ら世代には「当用漢字」であったものが、いつから「常用漢字」となったのか、つまびらかには知らない。記事によれば、81年から常用漢字なる用語が現れている。今回の改訂はさまざまな配慮からなされるようだが、大きな動機が、漢字が書くものでなく、パソコンのキーボードで打つものになったことにあるようだ。字画のややこしいなどの配慮が必要となくなり、いかに用いられているかに対応したらしい。「つくる」について「作る」、「造る」のほかに、「創る」の読みが取り入れられたことなどがその例のようだ。もともと固有名詞は規制の対象外だったらしいが、大阪の「阪」、岡山の「岡」などがはいったという。わが「茨城」の「茨」などもそうだが、水戸の「水」を「み」とよむ読みは用法外となる。こうした変更のたびに、どの漢字が公的に認められているのかどうか、気にする立場の人は、覚え直さなければならないが、私らはかまってはいられない。
・「無神論バス」英国各地走る(09/1/24 国際)
ー 近頃外面に大きく広告が描かれたバスをよく見かける。英国でもそうらしい。ところがその国で走っているバスには、今 "There's Probaly No God. Now Stop Worrying and Enjoy Your Life" (「神はたぶんいない。くよくよするのをやめて人生を楽しもう」)との広告が見られるという。もとはというと、熱心なキリスト教団体が「キリスト教徒でなければ永遠に地獄で苦しむ」という広告を出していた。それにカチンときた人たちが募金を集め、この広告となった。信心深い運転手が乗車拒否して、バスの運行に影響が出ているらしい。そういえば、オバマの就任演説の中に「私たちの国は、キリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒、ヒンドゥー教徒、そして無宗教者(non-believers)からなる国だ。」との一節があった。無宗教者が公式に言及されるのはめずらしいと聞いた。宗教はいたずらな争いを引き起こす。
・もんじゅ再開延期、問われる原子力機構の体質(09/1/24 政策ウォッチ)
ー 高速増殖炉「もんじゅ」は95年のナトリウム漏れ以後、13年も停まったままだが、予定されていた今年2月の再開を延期することを発表した。これで再開延期は4度目だという。次の目標時期は明示されなかった。建前としては研究開発段階にあるこの「原型炉」を完成試運転した後、「実証炉」へとすすみ、プルトニウム利用による核燃料サイクルを完成することになっているが、とんと目処が立っていない。技術的な難しさがあるが、それとともにこの炉の開発を担当してきた機構(旧動燃)の組織体質が問われている。組織に実力がなく、設計、試験、トラブル対応などすべてを民間に丸投げしているということだ。高速増殖炉を現段階で積極的に進める必要はないというが、原子力研究に身を置いてきた私の在来からの主張だ。(たとえばここ)
・ゴヤ「巨人」は別人作(09/1/22 社会)
ー マドリードのプラド美術館の一隅には、ゴヤの代表作が並んでいる。この「巨人」は二つの「マハ」とともに、印象的な作品として目を惹く。それがゴヤ自身の作でなく、弟子フリアによるものだと結論された。描き方などを検証してのことらしい。しかし作品自体は、今後も展示されるという。
・好きなもの 林望(09/1/25 読書)
ー 林望の好きなもの。1.自動車の運転。東京から青森だろうと神戸だろうと車で行く。「長距離の運転お疲れさまでした」といわれると、「いやいや、こんなに長く運転して、ずいぶん心身が休まりました」と応じる。2.料理。自宅の厨房は望が取り仕切って、妻は「食べ役」に徹してくれる。3.声楽。今ではバリトンの歌手としてしばしば舞台に立つ。「多少の愁訴や不調は、十分息を通わせながら歌うことですっかり癒すことができる」。
2009年1月30日金曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿