2012年10月11日木曜日

「彼岸堂」開店

【以下は友人に宛てて送ったメールの一部を転載】

私どもの近況です。やっと涼しくなり、みやは庭仕事に、家内整理にと、このところ大忙しで終日働いています。私は、庭には手を出さない、片付けもしないという性分ですから、うちの奥さんよく働くなあと、感心するのみです。

しかしながら、多少煽られ気味で、書斎と地下室にある本や資料を片付けはじめました。ツイッターを読んでいる方はご存じでしょうが、本をそのまま捨てるのはもったいないと、売れそうな本をアマゾンの古書売り場(マーケットプレイス)に出品することにしました。まず5点ほど登録したら、その直後に一点に買い手がつきました。

父の蔵書を売るつもりで全集ものをいくつか登録したのでしたが、それではなく、ついでに1点だけ登録してみた私の死蔵本、それが売れたのです。後から考えてみると、絶版本で古書店ではかなりの値がついても求められている本だったようです。たぶん1万円を超えた値で取引されているのでしょう。事情もわきまえずに、2千円なんてトンチンカンな値をつけたので、古書店がすぐに買いに来たようです。送り先の名前からして、個人ではなく業者だなと推察しました。

売れたことで味を占め、私の持っている本で売れそうな本の古書取引価格を何点か、アマゾン・マーケットプレイスで調べてみました。中には14,000円という値のついた本もあります。専門分野で未だに基本文献となっているが、絶版というような本は、高額で取引されているようです。売れた本もそうでした。この本はアマゾンのリストには載っているが出品されていません。出せば売れるので販売中のものがリストにないのでしょう。私から買った古書店は、それを1万円超の値で転売するのではないかと想像しました。値付けは安すぎてはいけない。素人は食い物にされる。大げさに言えば市場を混乱させてはいけない。手がけ始めた素人商法で最初に得た教訓でした。

それからは関心が古書販売の方に向いてしまって、何か売れる本はないかと、書棚を眺め、これは売れるかな、どんな値付けをしようか、などと考えたり、マーケットプレイスで調べたり。ということで、肝心の片付けのほうが止まってしまいました。本末転倒です。

古書出品に当たって、店名をつける必要がありました。亡父の蔵書を売るのが目的でしたので、あの世に行ってしまった人の本を売る書店という意味で「彼岸堂」としました。ところが、生きている私の本を売るのがメインになって、皮肉な命名になってしまいました。手元にあっても「彼岸」になってしまった本を売るという意味で、まあいいかと思っています。

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